The Third
猪俣猛と前田憲男が率いるリハーサル・バンドThe Thirdの定例コンサートのライブで、
２部構成のうち同年に亡くなったデューク・エリントンを偲んだ第１部を納めたアルバム。
前田憲男の作品集になる第２部を納めたアルバムと共に、猪俣猛の強烈なリーダー
シップの元に実力派メンバーが集まって活動していたThe Thirdの素晴らしい演奏を
堪能できます。
猪俣猛をはじめとするバンドの演奏も良いのですが、本アルバムの聞き所は何と言っ
ても前田憲男のスペシャルアレンジで、お馴染みのメロディーを驚くばかりの斬新な
サウンドで次から次へと聴かせる手腕には圧倒されっぱなしですね。
いきなりベースをメイン・フューチャーするＡ列車やサックス・セクションの魅力を最大に
引き出すゴージャスなSophisticated Ladyもとてもイカしてますし、アっと驚く現代風
アレンジが施されたCaravanにも度肝を抜かれます。
ルイ・ベルソン作のSkin Deepでツー・バスを駆使した猪俣猛のドラム・ソロをたっぷり
楽しめるシカケで、コンサートの第１部の締めくくりを盛り上げます。
大好き度：★★★
◎なかでもこの１曲！→「It Don't Mean a Thing if it Ain't Got That Swing」
エリントン・ナンバーのなかでもノリの良い事ではピカイチのこの曲を息をつかせぬ
ミステリアスでスリリングなアレンジとダイナミックな演奏で一気に聴かせます。
ピックアップで登場する前田憲男自身のオルガン・ソロがカッコいいー。
1.Take the "A" Train
2.Sophisticated Lady
3.It Don't Mean a Thing if it Ain't Got That Swing
4.Mood Indigo
5.Caravan
6.Skin Deep
猪俣猛：drums，前田憲男：piano,organ
福島照之，伏見哲夫，鈴木武久，吉田謙二：trumpet,flugel
キジ西村，中沢忠孝，山下晴生：trombone
堂本重道：trombone,tuba
鈴木重男，ジェイク・Ｆ・コンセプション：alto sax,soprano sax
清水万紀夫：alto sax,clarinet
三森一郎，西條孝之介：tenor sax
原田忠夫：baritone sax
中牟礼貞則、水谷公生：guitar
荒川康男：bass 中島御：percussion
Dec.4,1974, Shibuya
Big Band Paradise
