Maynard '63

Maynard Ferguson and his Orchestra



アルバム「Message from Maynard」と同時期にレコーディングされた音源からのアルバムで、
タイトルは「'63」ですが実際は1962年の録音。
メンバーのMike Abene、Don Rader、Don Menza等のオリジナルを主体にした意欲作満載の
ステキなアルバムです。
いきなりカリプソ・チックなAntibesは、オープニングにしてはちょっと地味かも知れない。
ファーガソンバンドにしては珍しくトロンボーン・セクションが目立つGuess Againでのボントロ
らしからぬフレージングのソロは、ファーガソン自身によるバルブ・トロンボーンか。
Don RaderオリジナルのSin Bluesはこのアルバム唯一の脂っこく泥臭いブルース。
モダンなアンサンブルでカラっと明るくスィングするHate NotesはDon Menzaのオリジナルで、
ファーガソンのトリッキーなリードから始まるアレンジがこのバンドらしくていいですね。
Fox Huntは以降のファーガソン・バンドの定番になるラッバ隊全面フュチャーの超絶ナンバー。
全編で、ファーガソンのパワフルなラッパと実力派メンバーのアンサンブルをモダンなアレンジ
で堪能できる嬉しいアルバムです。

大好き度:★★★

◎なかでもこの1曲!→「Overcoat Stomp」
Fox Huntと同じくピアのMike Abeneのオリジナルによるやたらカッコいいマイナー系の
急速ナンバー。
ファーガソンとレニー・モーガンの熱いソロもさる事ながら、バシっとキマるアンサンブルが
これまた壮快です。

1.Antibes
2.In Retrospect
3.Let's Try
4.Guess Again
5.Hate Notes
6.Sin Blues
7.Overcoat Stomp
8.Fox Hunt
9.Spookin'
10.Knarf

Maynard Ferguson,trumpet,valve tombone,french horn,baritone horn;
Gene Goe,trumpet; Don Rader,trumpet; Nat Pavone,trumpet;
John Gale,trombone; Kenny Rupp,trombone;
Lanny Morgan,alto sax,flute; Don Menza,tenor sax,soprano sax,flute;
William Maiden,tenor sax,flute; Frank Hittner,baritone sax;
Mike Abene,piano; Linc Milliman,bass; Rufus Jones,drums;

Mar.1962,New York

Big Band Paradise