With A Happy Feeling

森寿男とブルー・コーツ



森寿男が先代の小原重徳からブルー・コーツのリーダーを引き継いだ直後に制作されたアルバム。
アレンジは小川俊彦(1,3,4,7),前田憲男(2,5,6,9),八木正男(8)で、(6)と(8)はそれぞれ各氏のオリジナル。
エリントン・ナンバー,ポップス・アレンジ,オリジナルが入り乱れたハイブリッドな選曲のアルバム構成ですが、
アレンジ,演奏ともに素晴らしくブルー・コーツのチャレンジ精神を感じさせるアルバムです。
小川流にアレンジされたエリントン・ナンバーは、ブルー・コーツの端正な演奏と相まって本家エリントン・バンドとは
また違った魅力を感じさせますし、ポップス曲も前田憲男ならではの凝ったアレンジで楽しませてくれます。
特に意表を突いた5拍子で飛ばすNorwegian Woodや、ブラスとサックスセクションが織りなす繊細なアンサンブルで
聴かせるScarborough Fairは流石の前田流ですね。
尚、エリントン作のNo One Baby But Youは本家エリントンバンドのレコーディングが残っていない珍しい作品だそうです。
八木正男オリジナルのHot Summer's Blueは、ミステリアスなイントロからリズムチェンジを繰り返しながら
ダイナミックなアンサンブルと前衛的なソロが繰り広げられる意欲作。
1970年代初頭にこんなカッコいいアルバムを残していたブルー・コーツにあらためて驚かされました。
あと、4ビート曲での小林陽一のウオーキング・ベースのビート感がハンパないです。

大好き度:★★★★

◎なかでもこの1曲!→「With A Happy Feeling」
前田憲男オリジナルになるドラマチックな構成の4ビートで快調に飛ばすモダンなナンバー。
恐れを知らぬアマチュアバンドなら一度は演ってみたくなるカッコいい曲です。

1.Perdido
2.Norwegian Wood
3.Passion Flower
4.No One Baby But You
5.Raindrops Keep Fallin' On My Head
6.With A Happy Feeling
7.Way Way Back
8.Hot Summer's Blue
9.Scarborough Fair

森寿男,北里典彦,本木英夫,大谷義夫:trumpet
皆沢義一,飯田次郎,青柳善二,笹々間富雄:trombone
五十嵐明要,中込勝:alto sax
岡村正義,佐藤圭三:tenor sax
猿渡勇:baritone sax
中村敬幸:drums
木藤義和:piano
小林陽一:bass

Jul.9,16&22,1970

Big Band Paradise