17 Men And Their Music

The Kenny Clarke-Francy Boland Big Band



アルバムタイトルどおりメンバーのソロを大々的にフューチャーするバンドのショーケース的アルバム。
バリバリのドライブ・ナンバーや美しいバラードをいつもながらのゴージャスなヨーロピアン・サウンドでたっぷり堪能
させてくれますが、さらにこのアルバムではテナーのドン・メンザの参加が注目です。
オープニングのResurrectionはこのアルバムの雰囲気を予感させるいきなりワイルドなナンバー。
スインギーなジャズワルツのWoody Nightshadeで蝶のように舞うShake Keaneのフリューゲル・ソロは超ステキです。
ビリー・ストレイホーンのBlood Countとイメージがダブる事情的なバラードのMauveでは、Nat Peckの透き通るような
ボントロ・ソロがとにかく美しい。
シンプルなリフのテーマに乗って軽快に飛ばすブルースのThe 18th Manで次々に登場するソロがカッコいいですが、
ジャケットにクレジットが無いワイルドなテナー・ソロはいったい誰なのかが気になるところ。
Shihab, Humble & Co.はタイトルどおりサヒブ・シハブとデレク・ハンブルのバトルがスリリングなシリアスなナンバー。
ラストは両ドラマーが大暴れする賑やかなナンバーでクロージング。
全編を聞き終わった後はこのバンドのエネルギーにお腹がいっぱいです。(笑)
なお、Resurrection, The 18th Man, Klook's Reportの3曲はケニー・クラークのオリジナルだそうです。
しかし、フィル・インやソロのフレーズはイマイチなのにリズムセクションとしては猛烈にドライブするケニー・クラークは
本当に不思議なドラマーですよね。

大好き度:★★★★

◎なかでもこの1曲!→「New Eye」
シリアスなテーマに乗ってエンジン全開でかっ飛ばす痛快なナンバー。
ソロの合間にちょこっと聞かせるメカニックなサックス・ソリもカッコいいです。

1. Resurrection
2. Woody Nightshade
3. New Eye
4. Mauve
5. The 18th Man
6. Klook's Report
7. Personeske
8. Hopeless
9. Shihab, Humble & Co.
10. You Dig It
11. The Griffin
12. Kenny And Kenny

Derek Humble, alto sax;
Don Menza,Johnny Griffin,Ronnie Scott, tenor sax;
Sahib Shihab, baritone sax,flute;
Benny Bailey,Idress Sulieman,Shake Keane,Jimmy Deuchar,trumpet;
Ake Persson,Nat Peck,Erik van Lier,trombone;
Francy Boland,piano;
Jimmy Woode,bass;
Kenny Clarke,Kenny Clare,drums;
Fats Sadi,perccsion;

Nov.-Dec.1967,Germany

Big Band Paradise