北野タダオとアロー・ジャズ・オーケストラ
原信夫とシャープス＆フラッツ
猪俣猛とザ・サード
森寿男とブルー・コーツ
見砂直照と東京キューバン・ボーイズ
有馬徹とノーチェ・クバーナ
1968年にスタートして第４回目となった「All Japan Full Band Festival」の模様を
収録した２枚組アルバム。
当時の国内著名ビッグバンドのうち６バンドが集まり、各バンドの単独演奏および
組み合わせ２バンドによる合同演奏が４曲（Strike Up the Band, Joshua Fit De
Battle of Jericho, Le Mans, Alla En El Rancho Grande）収められています。
この年の注目は、大阪の実力派である北野タダオとアロー・ジャズ・オーケストラと
同年に活動を始めたばかりの猪俣猛とザ・サードの参加ですね。
１曲目はド派手なファンファーレと共にいきなりアロー・ジャズとシャープスの合同
演奏によるStrike Up the Bandで始まる景気の良いオープニング。
（途中で軍艦マーチが飛び出したり両バンドのドラムバトルで盛り上がったりする
あたりは編曲の前田憲男の遊び心いっぱい！）
ちょっと意表を突かれるポップス曲の２連発でも見事なアンサンブルでレベルの
高さをアピールするアロー・ジャズの演奏は圧巻。
ザ・サードのHare Krishnaでは、バンドをグイグイとドライブする猪俣猛の豪快な
パワー・ドラムには本当に圧倒されますね。
前年にリーダーを引き継いだ森寿男が率いるブルー・コーツはお得意のエリントン
とベイシー・ナンバーで、特にThings Ain'y What They Used to Beでの五十嵐明要
のメロウなアルトはまさに和製ジョニー・ホッジスの面目躍如。
One O'Clock Junpではゲストの鈴木勲が会場を唸らせるシブいベース・ソロを聴か
せます。
ブルー・コーツと東京キューバン・ボーイズがいきなりエンジン全開で激突する合同
演奏のLe Mansは、小川俊彦アレンジによるド派手なラテン・ジャズ・ロック。
桝谷史郎のスパニッシュ・ギターソロで始まるノーチェ・クバーナのGranadaは、
ラテンバンドの醍醐味を楽しめる一曲ですね。
ラストはラテン系両バンドの合同で聴かせる陽気なAlla En El Rancho Grandeで
盛り上がったところでハッピーなクロージングでお開き。
とにかく実力・パワーとも全盛を極めている各バンドの熱演から、当時のフルバンドの
隆盛が偲ばれます。
このアルバム全般の録音について、バランス良くシャウトするブラス隊とスパーン！
とキマるスネアドラムの音が気持ちいいですね。
右２つのジャケットは、２枚がバラ売りされた４チャンネルステレオ？バージョン。
大好き度：★★★★
◎なかでもこの１曲！→「Resignation」
前田憲男のオリジナルをシャープスが演奏するモダンでコンテンポラリーな意欲作。
全編を構成するスピード感あふれるスリリングなアンサンブルを完全に消化している
シャープスの実力には脱帽です。
尚、Resignationとは「辞職、引退、あきらめ」と言う意味だそうな。。。
1.Strike Up the Band
2.You've Mede Me So Very Happy
3.Promises Promises
4.Resignation
5.Joshua Fit De Battle of Jericho
6.Bye Bye Love
7.Hare Krishna
8.Things Ain'y What They Used to Be
9.One O'Clock Jump
10.Le Mans
11.Jingo+Incident at Neshabur
12.El Mambo
13.Granada
14.Alla En El Rancho Grande
北野タダオとアロー・ジャズ・オーケストラ (1,2,3)
多田善文、吉川誌朗、吉田豊、小野洋：trumpet
宗清洋、塩屋拓、石尾和彦、福島輝夫：trombone
古谷充、小原整二、佐藤京之輔、石川俊行、杢保良久：sax
脇坂親治：bass，倉本信明：drums，北野タダオ：piano
原信夫とシャープス＆フラッツ (1,4,5)
森川周三、佐波博、隅山時一、岸義和：trumpet
谷山忠男、橋爪智明、川口日出男、中島正弘：trombone
前川元、西村昭夫、鈴木孝二、原信夫、森川信幸：sax
大野肇：piano，中村吉夫，drums
竹内弘：bass，幾見雅博：guitar
猪俣猛とザ・サード (5,6,7)
伏見哲夫、福島照之、大野俊三、好き武久、吉田兼三：trumpet
キジ西村、中沢忠孝、堂本重道、山下晴生：trombone
ジェイク・コンセプション、鈴木重男、三森一郎、清水万木夫、原田忠幸：sax
鈴木淳：bass，中牟礼貞則、水谷公生：guitar
猪俣猛：drums，前田憲男：piano
森寿男とブルー・コーツ(8,9,10)
森寿男、川井錦一郎、本木英夫、熱田修二、大谷義夫：trumpet
皆沢義一、青柳善二、鍵和田みちお、早川隆：trombone
五十嵐明要、岡村正義、中込勝、有我幸夫、臼子正生：sax
木藤義和：piano，身内泰彦：guitar，小林陽一：bass，野口迪生：drums
鈴木勲：bass
見砂直照と東京キューバン・ボーイズ(10,11,14)
岡山勝次、加藤義茂、今泉俊昭、高森忠邦：trumpet
金田芳一、中村清紀、大高実：trombone
井川幸長、神田望、小里和命、菅野弘行、苅部義郎：sax
テディ池谷：piano，宮島忠夫：bass，ジョージ中川：drums
納見義徳、矢野昌二、増田功：percussion
有馬徹とノーチェ・クバーナ(12,13,14)
林鉄夫、塩田治男、富山耕甫、砂岡晃：trumpet
安藤超人、小松謙夫、村地宏、大谷夲、八田隆二郎：sax
増田馨：frlute，橋口健：piano，桝谷史郎：guitar，安田和彦，bass
白岡隆：drums、長谷川守男、大塚創：percussion、小木敬一：vocal
Sep.29,1971, Tokyo
Big Band Paradise
