The Sharps And Flats Recital

原信夫とシャープス・アンド・フラッツ



バンド結成から7年目にしての初リサイタルの模様を納めたライブ・アルバム。
半世紀以上も活動を続けているシャープの初リサイタルの記録と言うのも貴重ですが、驚かされるのはメンバーの
山屋清のアレンジをメインとしたオリジナリティあふれるサウンドとブラス隊の圧倒的パワー!
この時代の国産バンドは本場のベイシーやハーマンのコピーばかりやっていたと思っていた自分の認識の甘さを痛感しました。
シャープのテーマとしてお馴染みのブルー・フレームの後にいきなり超絶ナンバーのTyphoonで先制パンチのオープニング。
コール・ポーターのスタンダードJust One Of Those Thingsは、山屋清の華麗なアレンジがとても素晴らしい。
山屋清オリジナルのDrummer's DreamはおなじみのDrums Featureにも似たドラムのショーケース・ナンバー。
Caravanで活躍する谷山忠男のトロンボーン・ソロがこれまた秀逸。
最後は八城一夫オリジナルのSoft Drinkで次々に繰り出すソロ・ワークで楽しくスィングしてハッピーにエンディング。
兎に角、こんな昔にこんなステキな演奏をしていたシャープに改めて脱帽です。
右ジャケットは再発版。

大好き度:★★★★

◎なかでもこの1曲!→「Sharps And Flats Swing」
ポール・ギャロウェイの書き下ろしになるウェストコースト風にカラっとスィングする洒落たナンバー。
この時代のファーガソン・バンドの雰囲気にも似たカッコいい曲です。

1.Theme(Blue Flame)
2.Typhoon
3.Just One Of Those Things
4.The Song Of The Volga Boatmen
5.Jealousy
6.Drummer's Dream
7.Sharps And Flats Swing
8.One O'Clock Jump
9.Caravan
10.Soft Drink

原信夫:tenor sax; 前川元:alto sax; 森剛康:tenor sax;
工藤正人:alto sax; 山屋清:baritone sax;
谷山忠男:trombone; 浜水俊男:trombone;
田中彰:trombone; 鈴木弘:trombone;
森川周三:trumpet; 河本豊弘:trumpet;
篠原国利:trumpet; 光井章夫:trumpet;
山下高司:bass; 松本憲靖:piano; 武藤敏文:drums;

Oct.18,1958, 日比谷公会堂/東京

Big Band Paradise