Big Band Big Boss 3

Nobuo Hara & His Sharps & Flats



ゲスト・プレイヤーに高橋達也を迎えた100万馬力のテナー軍団を擁するシャープス
が肩の凝らないスタンダードを楽しく聴かせるアルバムで、前田憲男によるPerdidoの
1曲を除いてすべて内堀勝のアレンジ。
このアルバムでの特筆は何と言ってもドラムのジョン・ペレットで、ダイナミックなビッグ
バンド・ドラミングでバンドをグイグイ引っ張ります。
スィンギーなスタンダードの定番のWhen You're SmilingやHow High The Moonでの
豪快なトロンボーン・ソリによるテーマとアンサンブルは、トロンボーンの魅力を知り
尽くした内堀勝氏ならではのさすがのアレンジ。
分厚いトロンボーン・アンサンブルやサックス・ソリをたっぷり聴かせた後にチャーリー・
パーカーの「オー=ソロジー」のテーマが同時進行するHow Hight The Moonは、かの
前田憲男/ニューハードのドナ・リーにも匹敵する凝ったアレンジで楽しめます。
Ko-To(古都)は原信夫自身の古いオリジナルで、ニューハードの"振り袖は泣く"と
同様に国産ビッグバンドを主張したナンバー。
アルバムの最後は前田憲男のサービス精神いっぱいのアレンジと高橋達也の豪快
なテナー・ソロでノリまくるPerdidoで心地よくスィングするクロージング。
とにかく難しい事抜きにスィンギーでゴージャスなビッグバンドを楽しみたい人には
持って来いのアルバムですね。

大好き度:★★★★

◎なかでもこの1曲!→「All Of Me」
オープナーは軽快に楽しくスィングする超定番ナンバー。
テナー・リードのサックス隊によるテーマやアンサンブルも豪快ですが、サックス隊と
ドラムの4バースからブラス・アンサンブルをはさんでドラム・ソロに突入するあたりの
盛り上がりはまさにビッグバンドの醍醐味ですねっ!

1.All Of Me
2.Love Me Or Leave Me
3.Georgia On My Mind
4.I Can't Give You Anything But Love
5.These Foolish Things
6.When You're Smiling
7.Love Is Here To Stay
8.Boogie Woogie
9.How High The Moon
10.Ko-To
11.Perdido

森川周三,マイク・プライス,神村英男,福島照之/菊池宏:trumpet
谷山忠男,佐藤俊次,粉川忠範,村上準一郎:trombone
猪目慎一/鈴木孝二:alto sax
原信夫,唐木洋介:tsnor sax
森川信幸:baritone sax
原とも也:guitar,秋元公彰:bass
John Pellet:drums,鷹野潔:piano
高橋達也:tenor sax

Dec.26-28,1992, Tokyo

Big Band Paradise