Big Band Big Boss

Nobuo Hara & His Sharps & Flats



曲名を見ただけでは「よくあるビッグバンド・ヒット曲集かぁ。。」と思うこのアルバム
ですが、ところがどっこい聴いてビックリ。。。
原信夫氏のアイデアに基づいた内堀勝氏の斬新なアレンジでお馴染みのナンバー
がフレッシュな感覚で楽しめるアルバムです。
ソロ・オーダーにはベテラン勢と実力派の木幡光邦や角田健一に加えて、学バン
出身の大型新人(当時)だった本田雅人が大活躍しているのが嬉しいところ。
ニューヨーク帰りの塚原知哉のギターのソロも随所で聴かれます。
サド・メルのTiptoeを思わせるキュートなLet's Danceはこの曲の新しい魅力を発見
しますし、Moonlight Serenadeでは原信夫自身のメロウなテナー・ソロが美しい。
Four Brothers は意表をついた2本のアルト(鈴木孝二と本田雅人)による軽快な
テーマとバトルが熱い、お馴染みのジャンプ・ナンバー。
このアルバムにトシコ/タバキンのTuning Upが取り上げられているのは興味深い
ですが、内堀流にリニューアルされたアレンジで楽しく聴かせます。
さすがの内堀勝氏の斬新なアレンジをもってしても従来イメージの延長に聞こえる
Take The "A" Trainでは、この曲の偉大さを再認識させられます。

大好き度:★★★

◎なかでもこの1曲!→「I'm Getting Sentimental Over You」
軽快なテンポのテーマ・コーラスのあとに、いきなりジェリー・マリガンのソロに
ハーモニーをつけたというスーパー・サックスばりのサックス・ソリで楽しませて
くれるゴージャスなアレンジ。
トミー・ドーシーが聴いたらビックリして目をシロクロさせる事間違いなしですね。
キレの良いブラス隊のバッキングにのって繰り出す角田健一、唐木洋介、小林
順一のソロがなかなかキマってます。

1.Let's Dance
2.Moonlight Serenade
3.Four Brothers (-2)
4.Stardust
5.Sentimental Journey
6.April In Paris
7.Take The "A" Train
8.Artistry In Rhythm
9.I'm Getting Sentimental Over You
10.Tuning Up
11.Blue Flame

原信夫,tenor sax; 本田雅人,alto sax; 唐木洋介,tenor sax;
鈴木孝二,alto sax; 森川信幸,baritone sax;
谷山忠男,trombone; 佐藤俊次,trombone;
角田健一,trombone; 村上準一郎,trombone;
森川周三,trumpet; 福島照之,trumpet;
木幡光邦,trumpet; 小山宣夫,trumpet;
小林順一,bass; 塚原知哉,guitar;
蒲池猛,piano; Michael Whited,drums;

Feb.1985

Big Band Paradise