The Buddy Rich Big Band
前年にコテコテのフュージョン系アルバムを出して「あれまあ・・・」と思っていたら、
一転して正統派ビッグバンド・ファンを狂喜させる素晴らしいアルバムが登場です。
とにかくオープニングのスピード違反級超絶ナンバーの２連発がまず強烈！
スティーヴ・マーカスのテナーをフューチャーしたモンクの'Round About Midnightの
サビのアンサンブルの緊張感はリッチ・バンドならではですね。
ドン・メンザ作の組曲風ナンバーTales Of Rhoda Ratは、ノー・リズムアンサンブルと
16ビートが心地よく交錯するステキなナンバー。
シャッフル系リズムでスイングするボブ・ミンツァ作のParty Timeは、やはりリッチ・
バンドならではのビート感です。
全編ド迫力の演奏でヒート・アップしてしまったところをラストの優しいピアノ・ソロの
バラードでクール・ダウンしてクロージングするあたりの心遣いはニクイ。
尚、LPジャケット記載では Time Out と Tales Of Rhoda Rat がテレコのミスプリあり。
ダサいジャケット・デザインの「No Jive」（右）は、このアルバムからの５曲と1971年の
アルバム「A Different Drummer」から３曲とのコンピ。
大好き度：★★★★★
◎なかでもこの１曲！→「Ya Gotta Try」
ベイシーのアルバムでおなじみのネスティコの曲を、超ハイテンポの火の出るような
演奏で聴く者を完全にノックアウトします。
リッチの強烈にドライブするドラミングが最大級に楽しめる１曲。
今まで聴いたすべてのビッグバンドの曲の中で最も好きなナンバーのひとつ。
1.Ya Gotta Try
2.Time Out
3.'Round About Midnight
4.Tales Of Rhoda Rat
5.No Jive
6.Lush Life
7.Party Time
8.Kong
9.Mickey Mouse
Robert Mintzer,sax; Alan Gauvin,sax;
Dean Palanzo,sax; Steve marcus,sax;
Mauro Turso,sax;
Ross Konikoff,trumpet; John Marshall,trumpet;
Dean Pratt,trumpet; David Stahl,trumpet;
Rick Stepton,trombone; Clinton Sharman,trombone;
David Boyle,trombone;
Barry Kiener,piano; Jonathan Burr/Will Lee,bass;
Buddy Rich,drums; Joshua Rich/Steve Khan,guitar;
Feb.1977, New York
Big Band Paradise
