Hare Krishna

猪俣猛とザ・サード

猪俣猛と前田憲男の双頭で活動を始めた本格リハーサル・バンド「ザ・サード」のファースト・アルバムで、実際にレコーディングされたのはアルバム「Jazz Rock For Grand-Prix」の翌月。
1970年年代になってアグレッシヴ路線に向かい始めた国内フルバンドの一角として存在感があったザ・サードの魅力を堪能できる素晴らしいアルバムです。
Seven Fourは、このバンドお得意の変拍子系ジャズ・ロック・ナンバー。
Didn't Me (Didn't We?)はバリサク・フューチャーの美しいバラードですが、アンサンブル・コーラスでの猪俣猛のドラミングがかなり前のめりで、ちょっと落ち着かないのが唯一残念。
アルバムタイトル・ナンバーのHare Krishnaは、リズム・チェンジも交えてエキサイティングに爆走する2ビート・ラテンジャズ系ナンバー。
残響リッチな録音音響は、サド・メルのアルバムを意識したサウンド造りですかね。
The Fool On The Hill と Didn't Meの2曲は、前田憲男アレンジの演奏を集めたアルバム「TREASURES」でCD化されてます。
尚、ジャケットのライナー・ノーツはこのリハーサル・バンドの誕生と意義に関する話に終始して、曲の解説とかは全くありません。

大好き度:★★★★

◎なかでもこの1曲! → 「The Fool On The Hill」
サド・メルちっくなユニークなサウンドのアンサンブルで聴かせるビートルズ・ナンバー。
硬派一辺倒ではない前田憲男の遊び心が好きだったりします。

1.Locrian Locomotion
2.Wichita Lineman
3.The Fool On The Hill
4.Seven Four
5.Didn't Me
6.Hare Krishna

猪俣猛:drums
鈴木淳:bass
中牟礼貞則,水谷公正:guitar
前田憲男:piano,organ
中島御:percussion
三森一郎:tenor sax
清水万紀夫,鈴木重男,ジェイク・フェルナンデス・コンセプション:alto sax
原田忠幸:baritone sax
大野俊三,伏見哲夫,福島照之,鈴木武久:trumpet
堂本重道,中沢忠孝,キジ西村,山下晴生:trombone

Apr.6&10,1971,Tokyo