Half A Sixpence

Count Basie and his Orchestra



ブロードウェイ・ミュージカルの「Half A Sixpence(心を繋ぐ6ペンス)」のナンバーを
ベイシー・バンドが演奏したこれまた典型的なベイシー・マシーン・アルバムですが、
全編がゴージャスな演奏で気持ちよくスィングするナンバーのオンパレードで、理屈
を抜きにしてゴキゲンなアルバム。
全編のアレンジはベイシー・マシーンの立て役者?、チコ・オファリル。
興味深いのはこのアルバムが同ミュージカルの映画化とほぼ同時にレコーディング
されていて、舞台と映画の両方で主役を演じたトミー・スティールがライナー・ノーツ
を書いており、ジャケットにもベイシーとトミー・スティールが二人で写っている写真
まで載っています。
レーベルも映画化したパラマウント傘下のドット・レーベルからのリリースですから、
これはほとんどこのミュージカルのプロモート・アルバムですね。
なんとメンバーには往年のベイシー・バンドのスター・テナー奏者のイリノイ・ジャケー
が参加していて、いつくかの曲で彼のソロがフューチャーされていると言うオマケ付き。
ラストのMoney To Burnでは、イリノイ・ジャケーとエリック・ディクソンのテナー・バトル
も楽しめます。
エド・ショウネシーのドラミングもなかなかゴキゲンですし、エンターティメント精神いっ
ぱいのこういう楽しいアルバムも大好きです。

大好き度:★★★★

◎なかでもこの1曲!→「The Race Is On」
一瞬、The Heat's Onが始まったかと思ったイントロの後にラッパ隊のシェイクが炸裂
する軽快なジャンプ・ナンバー。
ちょこっと出てくるアル・アーロンのフリューゲルとイリノイ・ジャケーのテナー・ソロが
なかなかシブイです。

1.Half A Sixpence
2.A Proper Gentleman
3.She's Too Far Above Me
4.I Know What I Am
5.This Is My World
6.All In The Cause Of Economy
7.If The Rain's Got To Fall
8.I Don't Believe A Word Of It
9.Flash, Bang, Wallop!
10.The Race Is On
11.I'm Not Talking To You
12.Money To Burn

Illinois Jacquet,sax; Bobby Plater,sax;
Marshall Royal,sax; Eric Dixon,sax; Charlie Fowlkes,sax;
Al Aarons,trumpet,flugel; Victor Paz,trumpet;
Gene Goe,trumpet; Sam Noto,trumpet; Ernie Royal,trumpet;
Bill Hughes,trombone; Grover Mitchell,trombone;
Dick Boone,trombone; Herlen Floyd,trombone;
Count Basie,piano; Freddie Green,guitar;
Ed Shaughnessy,drums; Norman Keenan,bass.

Nov.1967, New York

Big Band Paradise