Olympia 5 May 1962

Count Basie and his Orchestra



アトミック・バンド末期の約1ヶ月に渡る欧州ツァーの最終日を飾るパリ公演のライブ。
この公演を最後にベイシー・バンドを去ったスヌーキー・ヤングがまだ健在の強力な
メンバーによる白熱の演奏に加えて、お馴染みの怒濤のスィング・ナンバーからサド・
ジョーンズやベニー・カーター等の新しいサウンドを感じさせるナンバーまでテンコ盛りで、
ベイシー・フリークにとってウハウハ・モードの嬉しいアルバムです。
いきなりエンジン全開のWhy NotやJumpin' at the Woodside、Basie、Blee Blop Bluesの
超絶ナンバーの大サービスも嬉しいですし、一方でLil' Darlin'、You're Too Beautiful、
Stella by Starlight等のじっくり聴かせるフューチャー系バラードもこれまた素晴らしい。
Cuteの冒頭のフレディー・グリーンのリズム・ギターはいつにも増して強烈。
残響たっぷりの大ホールでのライブにもかかわらずバンドのダイナミックな演奏が
リアルに伝わって来る音響が悪くなく、アトミック・バンドの数ある音源の中でも必聴に
値するアルバムだと思います。
強いて言えばアイリーン・リードのボーカル曲がThe Bluesのみの1曲しか無い事や、
クロージング定番のOne O'Clock Jumpが無いのも不自然ですので、未収録曲の今後の
発掘に期待ですね。
中央ジャケットは Laser Light レーベルによるパチモン・バージョン。
右ジャケットは、このアルバムと1960年の「Palais de Challiot」の一部(9曲)とをコンピにした
2枚組CDバージョンですが、さらにこのアルバムに含まれていない2曲(O.C.Smithの
ボーカルによる All Right,OK,You Win と One O'Clock Jump)が追加されています。

大好き度:★★★★

◎なかでもこの1曲!→「Discomotion」
なぜか「Basie」と勘違いされやすいダイナミックな急速ブルース。
イントロからテーマ部分のアンサンブル・アレンジやお馴染みのベイシー・ルーチンでは
終わらないヒネリのあるエンディングは、いかにもこの時期のフランク・フォスターと言う
感じですね。
「Basie」との混同を解決する聴き比べができるこのアルバムはある意味で貴重?(笑)

1.Why Not
2.Easy Money
3.Vine Street Rumble
4.Discomotion
5.Mama's Talking Soft
6.Jumpin' at the Woodside
7.Easin' It
8.Basie
9.Lil' Darlin'
10.Toot Sweet
11.You're Too Beautiful
12.Blee Blop Blues
13.April in Paris
14.The Song is You
15.Stella by Starlight
16.Cute
17.I Needs to be Bee'd With
18.Nails
19.The Blues

Sonny Cohn,trumpet; Al Aarons,trumpet;
Thad Jones,trumpet; Snooky Young;trumpet;
Henry Coker,trombone; Benny Powell,trombone;
Quentin Jackson,trombone;
Marshal Royal,sax; Frank Wess,sax; Eric Dixon,sax;
Frank Foster,sax; Charlie Fowlkes,sax;
Freddie Green,guitar; Count Basie,piano;
Eddie Jones,bass; Sonny Payne,drums;
Irene Reid,vocal;

May.5,1962,Paris

Big Band Paradise